和尚さんと小僧
昔々、ある所に和尚さんと小僧さん が えだっけど。二人はたいそう仲良く暮 らしててえだっけど。 毎年、冬の一番寒いどぎをねらって、 必ず大きな袋こしゃで、「寒風」をいっぺ ぇ、その袋さ詰めでおぐなだけど。 そして、夏の暑い日は、和尚さんは近 くのお墓にお経をあげで帰ってくるど、 かならず、 「ああ あっちあっち〜」 と言いながら、一人で袋がら、冷っこ い風っこあでで、涼んでえだっけど。 風っコこしゃるとぎゃ、二人でやったけ たて、あっちいとぎゃ一人で涼んで、小 僧さんさは、 「おめぇも 一回しずんでみろ」 とは、言わなかったそうだ。 ある時、小僧さんは、和尚さんが仕事 で少し遠くさ出がげだ、この時ばかりと 、 「おれも一回涼んでみるべー」 と、風の袋をあげで、風っこあでで見 だけど。あまり気持ぢこええくて、ぐっす り眠ってしまたけど。 目がさめで見だば夕方になってだけど 。したば、風の袋はみなからっぽになっ てだけど。びっくりして、なんとがして袋 をふくらましておがねば、和尚さんにお ごられる。 さぁ、こまった。 小僧さんは、へっぴりじょうずで、ケッ ツ天さ むげで、風っこ吸って ふぐろさ ケッツ あでがって、ブブービビービービ ーと何回もやって、やっと和尚さんがこ ねぇうぢ、袋さえっぺえにふくらませでお えだけど。 和尚さんは、暑い、暑いと言いながら 帰ってきたけど。 そして、いつも通りの袋がら、風っこ出 してえだば、 「あららーっ、今年みだいなごど ねぇ んだ。寒風もあめで、へくせぇぐなったな や」 と、独り言いってだけど。 小僧はふぎだすほど おがしがったが 、がまんして笑わねぇでいだけどー。 錦サラサラ、五葉の松原 トッピンパラリの下のたんこのびぃー。 |
昔々、ある所に和尚さんと小僧さん がいました。二人はたいそう仲良く暮ら していました。 毎年、冬の一番寒いときをねらって、 必ず大きい袋を作って「寒風」をたくさん その袋に詰めておくのでした。 そして、夏の暑い日は、和尚さんは近 くのお墓にお経をあげて帰ってくると、 かならず 「あぁ 暑い暑い〜」 と言いながら、一人で袋から冷たい風 をあてて涼んでいました。 風を作る時は二人でやったのですが 、暑い時は一人で涼んで、小僧さんに は 「おまえも 一回涼んで見なさい」 とは、言いませんでした。 ある時、小僧さんは、和尚さんが仕事 で少し遠くに出かけたこの時とばかりに、 「わたしも一回涼んでみようー」 と、風の袋をあけて、風をあててみま した。すると、あんまり気持ちが良くて、 ぐっすり眠ってしまいました。 目がさめたら夕方になっていました。 そうしたら、風の袋はからっぽになっ ていました。驚いて、なんとかして袋を ふくらませておかなければ、和尚さんに 怒られる。 さぁ、困った。 小僧さんは屁をするのが上手で、お 尻を空に向けて 風を吸って、袋にお尻 を当てて、ブブービビービービーと何回 もやって、やっと和尚さんが来ないうち に、袋をいっぱいに膨らませておきまし た。 和尚さんは暑い暑いと言いながら帰っ てきました。 そして、いつものとおり風の袋から風 を出していたら 「あららーっ、今年みたいなことは無い なぁ。寒風も腐って、屁のように臭くなっ たなぁ」 と、独りごとをいいいました。 小僧さんは吹き出すほどおかしかった けど、がまんして笑わないでいたとサ。 錦サラサラ、五葉の松原 トッピンパラリの下のたんこのびぃー |
福地タケ子さん
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