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秋田県雄勝郡東成瀬村椿川字堤31-2
まるごと自然館
TEL:0182-47-2362

東成瀬の昔っ子

坊主とムジナ

 昔、ある山のふもとさ、小さな村があ
ったど。
 村の畑さ、毎晩のようにムジナが出て
作物にいたずらしてえだんだど。

 みんな困ってえだば、独りのじいさま
が、
 「裏の山さえぐど、大きい穴あるんべ、
あっこさ かぐれでるべぇおん。えぶしか
げでみるべや」
と、口出したど。

 それで、その入口さ、みなして、杉の
葉や草、しばを集めで、それに火つけで
、モーモーどえぶしたど。

 したば、おぐの方から何かゴソゴソ音
がして、ゴホッゴホッと大っきいセギして
、何か出てきたど。
 「ほれ、ムジナだ、つかまえろ」
と、よく見るど、
 黒衣を着た大っきい坊主が風呂敷づ
つみを背負って穴がらでて来たけど。

 「ああ、苦しがった。旅の途中で穴め
っけで、一眠りしてたば、えぶしかげられで、なんたら苦しがったて」
と、ブツブツ言ってだけど。

 みんなどでんして、
 「あや しかだねぇがったなや、あんま
りムジナぁいだずらするなで、捕ろがど
て---。悪りいがった。ごめんしてけろ」
ど、あやまったど。
 坊主はなにやら小言を言いながら、ど
っかへ行ってしまったけど。

 みんながっかりして
 「ああ、あ、こごにゃいねぇがったんだ

と、話しているど、遠くのほうで、あの坊
主大きな風呂敷包みの中がら、ムジナ
の子っこ五・六匹出してワイワイ言いな
がら遊び出したど。

 みんなどでんして
「やられだ---」
と、口を開いで見でるしかねぇがったど
---。

       トッピンパラリのプー
   昔、ある山のふもとに小さな村があ
りました。
 村の畑に、毎晩のようにムジナが出て
来て、作物に悪さしていました。

 みんなが困っていると、一人のおじい
さんが、
 「裏の山に行くと、大きい穴がある。あ
そこに隠れているだろう。煙でいぶして
みよう。」
と、口を出しました。

 それで、その入口にみんなで杉の葉
や草や柴を集めて、それに火をつけて
、モーモーといぶしました。

 そうすると、奥のほうから何かゴソゴソ
と音がして、ゴホッゴホッと大きい咳をし
て、何かが出てきました。
 「それーッ ムジナだ、つかまえろ」
と、よく見ると、
黒衣を来た大きいお坊さんが、風呂敷
包みを背負って、穴から出てきました。

 「ああ、苦しかった。旅の途中で穴を
見つけて、一眠りしていたら、いぶしだ
されて、何とも苦しかったよ」
と、ブツブツ言いました。

 みんなは驚いて、
 「これは、すみませんでした。あんまりムジナが悪さをするので、捕まえようとして・・申し訳ありませんでした。許してください。」
と、あやまりました。
 お坊さんはなにやら小言を言いながら、どこかへ行ってしまいました。

 みんなはがっかりして
 「あーぁ、ここにはいなかったんだ」
と、話していると、遠くのほうで、あのお
坊さんが、大きな風呂敷包みの中から
、ムジナの子どもを五・六匹出してワイ
ワイ言いながら遊びだしました。

 みんなはびっくりして
 「やられた---]
 と、口を開いて見ているしかありませ
んでした。

         トッピンパラリのプー

佐藤洋子さん

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