コンテンツメニュー仙北街道東成瀬の生物東成瀬の民話イベント情報リンク
掲示板
〒019-0803
秋田県雄勝郡東成瀬村椿川字堤31-2
まるごと自然館
TEL:0182-47-2362

東成瀬の昔っ子

継子いじめ

 昔々あるどごさ、お父とお母が えだ
けど。して、めんこえ おなごわらしこが
生まれで 幸せに暮らしてえだけど。
 
 そうしたある日、お母が急に身体の具
合が悪ぐなって死んだけど。お父は困っ
てしまったけど。
 そごで、少したってがら、新しいお母を
貰ったど。そのお母にもおなごわらしこ
が生まれで、どちらもめんこがってえだ
けど。

 そしてるうぢに、先のお母のわらしっこ
どご、何やっても、自分のわらしっこど
比べでめんこぐねぐなって、毎日毎日い
じめでばがりえだけど。

 そしてある朝、おぎで外を見だば雪降
りで、真っ白の上さ、松かさが落ぢで何
とも言えねェほどきれいだっけど。
 そごで、お母は二人のわらしっこどご
呼んで、
「そのけしぎ見で、何が思ったごど言っ
ての」
と言ったば、継母のわらしっこ さっそぐ
「雪の上さ 松かさ、松かさの上さ 雪」
って、けろっとした顔で言ったけど。
今度は先のわらしさ言ったば、
「さらさらと雪降りて、雪を根として、積もる松かさ」
って、詩を詠んだけど。そしたば、継母
がびっくりしたのなんのって、あんまり差
あって、ますます憎ぐなり、毎日毎日い
じめでばかりで、食い物も自分のわらし
さばがりかしぇで、先のわらしさべっこし
か、かしぇねェけど。

 ある時、お父が上方参りさ行ってくる
ごどになり、
「二人のわらし達、頼むがらな、お母」
って言って、わらしだちさ手ふって旅だ
って行ったけど。
お母はお父のいねェうぢに、この時どば
がり、毎日毎日 先のわらしどご いじ
めでいだけど。

ある時、
「山さ行って、萩八束手で折ってもってこ
え」
って、言いつけだへど。わらしこぁ泣く泣
く萩を折り、血を流してやっと えさ きた
んだど。そしたば、メカゴで水千回くませ
だけど。そして湯こボンボン煮立でだ鍋
さ萩で橋かげで、その上を渡らせられで
、その鍋に落ぢで焼け死んでしまたけど


 やがて、上方参りがら帰る頃になり、
お母は急いでお父が帰ってこねェうぢに
と、家の庭のすみっこを掘って埋めでお
いだど。
 お父が上方参りから、二人のわらしさ
土産えっぺぇ買って帰ってきたけど。そ
のとき、それぁそれぁ見事な、見だごど
もねぇきれいな鳥っこが飛んできて、お
父の肩さ止まって鳴き出したけど。

「今日のお父は上下り、継母云うことに
ゃ、萩八束手折りで折って、メカゴで水
汲んで、萩の橋渡るどって、チュウラリ
 カポラン」
って鳴いだけど。

んだどもお父は、なんの事だがさっぱり
わからねぇで、首をかしげでだば、今度
は死んだわらしこ埋めた庭の隅こで、ま
だ鳴き出したんだど。

 不思議に思ったお父が庭の隅っこを
掘ってみだば、見るも哀れに焼けただ
れたわらしが出てきたので、ひっくり返
るほどびっくりしたけど。
お父はお母さ
「これはいったい何としたごどだ」
と、問いつめると、
「おれが悪がった、ごめんしてけれ」
と、あやまったど。
 けれどもお父はかんかんに怒って、お
母をまるはだかにして、長い髪の毛を
引っ張ってカヤの中を引きずり回して、
お母の体はカヤで切れで、血がダラダ
ラ流れで、死んでしまったそうだ。それ
で「カヤ」はところどころ赤ぐなってるん
だそうだ。

まず、とっぴんぱらりのぷー

   昔々あるところに、お父さんとお母さ
んがいました。
そして、可愛い女の子が生まれて、幸
せに暮らしていました。

 そうしたある日、お母さんが急に具合
が悪くなって死んでしまって、お父さん
は困ってしまいました。
 それで、少したってから新しいお母さ
んを貰いました。そのお母さんにも女の
子が生まれて、どちらも可愛がっていま
した。

 そのうち(継母は)、なにかにつけ、自
分の子供に比べて先妻の子供が可愛く
なくなって、毎日毎日いじめてばかりい
ました。

 ある朝、起きて外を見たら雪が降って
、真っ白の上に松かさが落ちていて、何
とも言えないくらいきれいでした。
 そこで、継母は二人の娘を呼んで、
「その景色を見て、思ったことを言って
みなさい」
と言うと、継母の娘がさっそく
「雪の上に松かさ、松かさの上に雪」
と、ケロッとした顔で言いました。
次に、先妻の娘に言ったら
「さらさらと雪降りて、雪を根として、積も
る松かさ」
と詩を詠みました。すると、継母は、自
分の娘とたいそう差があって、驚いてし
まいました。そして、ますます先妻の娘
を憎くなって、毎日毎日いじめてばかり
で、おいしい食べ物も自分の娘にばか
り食べさせて、先妻の娘には少しだけし
か食べさせませんでした。

 ある時、お父さんが上方参りに行くこ
とになって、
「二人の娘達を頼むよ、お母さん」
と言って、娘達に手を振って旅立ってい
きました。
お母さんはお父さんのいないうち、この
ときとばかりに、毎日先妻の娘をいじめ
ていました。

ある時、
「山に行って、萩を八束、手で折って持
ってこい」
と、言いつけました。娘は泣く泣く手で萩
を折って、血を流しながらやっと家に帰
ってきました。
すると今度は、ザルで水を千回汲ませ
ました。そしてそれを煮立ててた鍋に渡
した、萩の橋を渡れと言われて、娘は
落ちて焼け死んでしまいました。

 上方参りからお父さんが帰る頃になっ
たので、継母は急いで、家の庭の隅を
掘って娘を埋めておきました。
 お父さんが、二人の娘に土産をたくさ
ん買って、上方参りから帰ってきました
。その時、それはそれは見事な、見たこ
とも無いきれいな鳥が飛んできて、お父
さんの側に止まって
「今日のお父さんは上(かみ)くだり、継
母が言ったことは、萩を八束素手で折って、メカゴで水を汲んで、(煮立った鍋に渡された)萩の橋を渡れ、渡ろうとして、チュウラリ カポラン」
と鳴きました。

けれども、お父さんはなんのことかさっ
ぱりわからず首を傾けていると、今度は
娘を埋めた庭の隅で、また鳴き出しまし
た。

 不思議に思ったお父さんが庭の隅を
掘ってみたら、見るも哀れにやけただ
れた娘が出てきたので、ひっくり返るほ
ど驚きました。
お父さんはお母さんに
「これはいったいどうした事なんだ」
と、問い詰めると
「私が悪かった、許してください」
と、あやまりました。
 けれどお父さんはカンカンに怒って、
お母さんを丸裸にして、長い髪を引っ張
り、カヤの中を引きずり回しました。お
母さんの体はカヤで切れて、血を流して
死んでしまいました。それで「カヤ」は所
々赤くなっているんだそうです。

まず、 とっぴんぱらりのぷー

本間智佐子さん

戻る


Copyright(C) 2005.まるごと自然館 marugoto.higashinaruse.com Allrights reserved.
当サイト各ページの記事・写真の改ざん及び無断転載を禁じます。